八経ヶ岳登山、テント泊は苦行
2012年 07月 16日
コースタイム
7月15日(日)
09:50 天川川合、出発
12:03 栃尾辻
13:42 狼平避難小屋
14:40 弥山サイト場
7月16日(月)
05:15 弥山サイト場、出発
05:41 八経ヶ岳(標高1,915M)
05:57 弥山辻
08:02 栃尾辻
10:10 天川川合
1.天川川合、2.栃尾辻、3.狼平避難小屋、4.弥山サイト場、
5.八経ヶ岳、6.弥山辻
ほんとに久しぶりのテントを担いでの登山で、
2008年に家族で登った白山以来である。
あの時は、夜間に雷雨に遭遇して生きた心地がしなかった。
今回も家内を誘ってみたが、予想通り断られた。
いつか再び、テント泊登山に誘い込みたいのだが、なかなか難しそう。
息子は、水泳部の練習でとても行けそうにないが、
登山準備している私を興味深そうに見ていたので、
「また行こか?」と誘ってみると、
「ええわ」と苦笑いで即答された。
何も、即答することないやろ(涙)。
九州地方では、経験のない大雨のようで、天気が心配である。
天気予報では、15日が曇り、16日が曇りのち晴れと、
嬉しいことに天気は回復に向かうらしい。
まだ、梅雨前線が活発な時になんとありがたいことか。
でも、山間部ではきっと天気は悪いだろうと、覚悟しての出発となった。
実際の天候は、15日が曇りのち晴れのいい天気、
ただ、夜間はとんでもない天候で、強風と雨であまり眠れなかった。
翌16日は、早朝はガスがかかり視界は悪かったが、
時間がたつにつれどんどん雲が上がり、青空の広がるいい天気となった。
15日早朝、5時半前に自宅を出発。
電車・バスの乗り継ぎで9時40分過ぎに、登山口のある天川川合に到着。
奈良県南部の山間部まではやはり遠く、4時間以上かかった。
バス停すぐ近くの総合案内所で、登山口を確認して早速歩き始める。
登山口へはつり橋を渡るが、下を流れる清流でアユの友釣りをしていた。
多くの登山ルートがそうであるように、最初のワンピッチはとてもタフな斜面で厳しい。
ここも同様で、いきなり汗が吹き出す。
トレラン時の軽装ではなく、
テント・シュラフ等の装備と食料の入ったザックを担いでいるので、
最初はマイペース以下のゆっくりを心がけていても、汗が止まらない。、
久々のザックの重さに腰や肩がまだ慣れていないようだ。
そして、今回もトレッキングポールを使用した。
そこそこ重量のあるザックを背負っての歩行には、
このポールはとても有効で、脚部の疲労が軽減されたような気がする。
特に登りでは、腕の力を利用して登れるし、バランスもとりやすい。
今後の登山でちょっと手放せないアイテムになりそうだ。
ルートは、しっかりとした踏み跡があり間違いようがない。
ポイントには道標やテープがあり、不安になるようなところはなかった。
スタート地点の天川川合の標高は600Mほどで、
今日の目的地である弥山サイト場が1,900M弱なので、
1日で1,300Mほどの登り、距離にして13キロほどである。
かなり標高を稼ぐが、距離があるので急な斜面はあまり多くなく、
緩やかに登っていく感じで、一定のペースを掴むと登りやすいコースである。
ポイントの栃尾辻を通過して、次のポイント狼平へ向かう。
ここはこのルート上で唯一水場のあるところ。
テント予定地の弥山サイト場にも水場がなく、1リットル100円で買わないといけない。
狼平には避難小屋がある。
すぐ横に清流があり、ロケーションは最高である。
ここでテントを張ってのんびりするのもいいなと思った。
避難小屋の中を見たが、きれいな避難小屋であった。
いよいよあとワンピッチで弥山サイト場である。
近づくにつれて、白く枯れた木々が目に付くようになる。
鹿による食害なのか、酸性雨による被害なのかよく分からないが、
今まで緑豊かな景色から一転、白い枯れ木が点々とする様は、
別世界に紛れ込んだような錯覚を覚える。
14時40分、スタートから4時間50分でようやく弥山サイト場に到着。
別ルートからの日帰りの登山者が大勢休んでいた。
山小屋の事務所でサイト料500円を支払う。
ここのトイレはチップ制で1回100円也であった。
サイト場は、山小屋の南、平坦な尾根筋にあり、まあまあの広さ。
既に2張りのテントがあり、隅のほうに張ることにする。
ここで、ペグを忘れたことに気がついた。
テントを張ったはいいが、テントを固定するペグがないため、
強風で飛ばされるかもしれない。
そして、フライシート(雨よけのシート)をテントの上に張っても、
サイド方向にテンションをかけるためのペグがないため、
十分に雨を防ぐことができない。
ペグなしでも、張らないよりはマシなことは確かだが。
日中いいお天気で、なおかつ明日の天気も悪くなさそうなので、
ズボラをしてフライシートを張らないという判断をしてしまった。
この判断ミスが、夜間の苦行を招くことになるのだが、
その時はのん気なもので、夕食までのうたた寝を楽しんでいた。
夕食はスープカレーで、つくり方は超簡単。
水を自由に使えないことは分かっていたので、生米からの炊飯はちと難しい。
そこで、レンジでチンできるご飯とレトルトカレーを使ってのメニュー。
鍋に少し水を入れてご飯とレトルトカレー入れて、コンロにかけるだけ。
沸騰させる必要もなく、ご飯がやわらかくなれば出来上がり、3分もかからない。
朝食も、カレーをお茶漬けの素に変えるだけ。
栄養バランス無視で、とにかくお腹が落ち着けばいい。
下界ではもう少しおかずのほしいところだが、その分ザックが重くなる。
夕食を終えてのんびりして8時ぐらい、あたりも暗くなってきた。
夕方から青空もなくなり雲が多くなってきたのが少し気になったが、
大きく崩れることのないことを願いながら、
シュラフに潜りこんで寝ることにする。
が、しかし、ここは標高1,900Mの稜線上。
テントがザワザワと風を受けてざわめき始めた。
その後も風は止むことなく、時折テントのフレームをたわませるほどの風が吹く。
風だけならこの自立式のテントはまあ問題ないと思うが、
この天候の変化で雨の降り出すことのほうが心配であった。
既に風が吹いており夜間でもあるので、外に出てフライを張る勇気もない。
もう雨が降ってくれば濡れるだけと、開き直って寝ようとしても、寝れまへん。
深夜0時過ぎぐらいに風はおさまってきたが、懸念していた雨が降ってきた。
そんなに強い雨ではなく、フライを張っておれば全く問題なし程度の雨。
でも、私のテントにフライシートはない。
しばらくすると、ポツリと顔面に水滴がひとつ。
このポタリポタリが、明け方近くまで続くことになる。
シュラフを頭までかぶって寝ようとするが、寝れまへん。
時計のLIGHTボタンを何度も押して時刻を確認するが、夜明けは遠い。
雨脚が強くなったらどうしようとネガティブな発想が頭を駆け巡る。
こんな時は、一人だとほんと心細い。
単独テント泊登山は、もういやだと何度も思う(泣き笑い)。
結果的には、強い雨にならなかったことが唯一の救い。
テント内に水は溜まったが、シュラフが水浸しになるまでには至らなかった。
山の天気は変わりやすいので、
やはりずぼらしてはダメだということを思い知らされた。
4時過ぎ、ようやくしらじらと夜が明けてきた。
外を見てみるとガスが立ち込めているが、雨はほとんど降っていない様子。
一刻も早く下山して温泉に入りたい。
速攻でテントを撤収して、5時過ぎにサイト場を出発した。
他に数張りテントがあったが、いの一番の出発であった。
復路は初日とは違うルートを歩いたが、
弥山辻からのコース、ガスがかかりなかなか幻想的。
でも、昨夜の雨で足元はジュクジュク、
オニューのトレッキングシューズが泥まみれとなる。
下山途中、2時間も歩いているとガスが晴れて青空が広がり始めた。
あと2時間出発を遅らせていたら、
頂上からの素晴らしい眺望を経験できたかと思うと、ちと悔しい。
復路も5時間ほどで天川川合に到着。
登山口近くの食堂に入り、ビールときつねうどんで、
今回登山の無事を祝って一人乾杯。
その後、洞川温泉ですっきりして、帰路についた。
今回の登山では夜間苦行を味わったが、なかなか楽しい山行であった。
懲りずにまた山に登りたい。今度は山小屋泊まりもいいかも(笑)。
by toshihi616 | 2012-07-16 00:00 | Trackback | Comments(6)
夜の雨は大変でしたね さぞ心細かった事と思います
でも楽しそう また連れて行ってもらうのに必要な装備を教えて下さい 私も行きたいです
「間違いようのないルート」というのも、
私にとっては大きな魅力ですね~(笑)。
京都では大雨だったというニュースを、
しまなみ海道の宿で見ていたので、
「かねやんさん大丈夫かな」と思ってました。
苦行ありながらも楽しまれたようで、よかったです!
往きの電車では、青空が広がってきて、ラッキーと思ったのですが、夜は悲惨でした。
登山の装備のことについては、
知っている限りのことはお教えしますよ。
登山は自然相手なので、色々ありますが、日常生活では絶対に経験できないことが起こりますので、そこが魅力なのかもです。
意外だったのは、女性のソロの人が大きなザックを担いで登っているのに出会いました。
じゅんこさんは、トレラン等で鍛えられているので、あとはザックの重さに慣れれば大丈夫だと思います。
8月の槍ヶ岳、楽しんできてください。
さすがのかねやんさんでもフライシート無しで雨中のテント泊は大変だったでしょう(でも天気はどうしようもないですね)。