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白山登山、自然にはかないまへん!

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〈黄色が鮮やかなニッコウキスゲ〉

14日、15日と白山登山に行ってきた。

天気予報は、14日は曇り、15日は午後から雨と下り坂の予報。
テント泊を予定しているが、最悪の場合は山小屋に逃げ込めばいいかと、
予定通り白山登山をすることに。
しかし、山の天候は我々の淡い期待を無残にも一蹴して、
自然の恐ろしさを思い知らされることとなる。

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     〈朝5時前の市ノ瀬のバスターミナル〉

参加者は、部活などで長女と長男は参加できず、一番下の息子と家内と私の3名。
私以外は、山でのテント泊の経験がなく、
雨でも降られたらもう二度とテントには泊まりたくないと思われそう。
雨が降っても山ではそれなりに楽しいと、あまり説得力のない言葉でなだめつつ、
車をとばして白山の麓に向う。
約6時間のドライブで、深夜1時ごろに市ノ瀬の駐車場に到着。
朝のバスに乗るために車中で仮眠する。

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夏場はマイカー規制のため登山口まで自家用車は入れないため、
市ノ瀬からはバスで別当出合(標高1,250M)の登山口まで行くことになる。
まだ眠そうな息子を起こして、朝5時半のバスで別当出合の登山口まで。
心配な天候のほうは曇りだが、山の上のほうは雲がかかって見えない。
雨が降っていないだけましかと思いつつ、6時ごろ別当出合を出発し、
今日の目的地である南竜ヶ馬場野営地を目指す。

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6時55分、別当出合から砂防新道を通って、中飯場に到着。
息子は快調そうでどんどん先に行こうとする、家内と私はゆっくりいこうとなだめる。
さらに登って、いよいよ雲の中に入る。
途中、別当覗きという晴れていたら景色のいい所を通るが、何も見えない。

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     〈甚ノ助小屋、ようやく雨も小降りになってきました〉

そして、ポツリポツリと雨が降ってきた。
別当出合から登りばかりのコースで、しかもレインウェアーを着て蒸し暑い。
8時45分、甚ノ助小屋(標高1,950M)に到着するが、この頃には雨も本降りになる。
しばらく小屋で雨宿りして、やや雨脚の弱まった頃再び歩き出す。

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     〈ガスって景色は全然見えません〉
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     〈ニッコウキスゲの群生地、黄色の花が鮮やかでした〉

この辺りから高山植物を目にすることができる。
ニッコウキスゲが群生していた。ちょうど今が最盛期のようだ。
景色の全く見れない雲の中で、鮮やかな黄色が我々の目を和ませてくれた。
10時ごろ、南竜山荘に到着して、テント泊の受付(大人1名300円)をする。

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山小屋のおじさんに、まさかの時を考えて素泊まりはいくらか聞いてみる。
1泊4,900円で、部屋は空いているので利用できるよと言われた。
さらに、野営地内の炊事場は屋根付でそこそこスペースもあるので、
いざとなれば、そこに逃げ込めばいいとアドバイスを受ける。

このときに強い雨が降っていたら、迷わず山小屋に泊まっていたのだが、
雨は降ったり止んだりの状態で、家内とも相談してテントを張ることにする。
野営地は、山小屋から少し登ったところにある。
こんな日にテントを張るのは我々ぐらいかと思ったが、意外や既に5張りほどテントがあった。

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この野営地では、テントの下に敷く板張りを貸してくれる(1枚300円)、これは重宝した。
地面の凸凹を防いでくれるし、雨が降っても地面との隙間があるため、
テントの底が濡れるのを防いでくれる。
1枚がたたみ1畳ほどで2枚借りることにした。

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屋根付の炊事場にできるだけ近いところに、テントを設営する。
設営後は、昼ごはんにラーメンを作る。
棒ラーメンの「マルタイラーメン」は、かさばらず山で食べるとなぜか美味しい。
2人ともテント内でくつろいで、食欲もあるようで安心した。

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     〈花が散って穂だけになったチングルマ〉

当初の予定では、ここをベースキャンプにして、
白山(御前峰、標高2,702M)アタックを考えていたが、
天候を考えると登っても眺望はほとんど期待できず、
雨脚が強くなることもあり希望者だけとした。
登っても何も見えなかったら意味ないやんと、
結局私一人で行くことに(しかたないかな・・苦笑)。

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     〈山頂の近くにある室堂の山小屋〉
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     〈山頂はやはりガスでなにも見えません〉

11時30分、野営地出発。途中、雨が強くなり息子を連れてこなくて良かったと思った。
穂だけのチングルマが群生していた。多くの高山植物は7月下旬ぐらいが最盛期のようだ。
ガスだらけの中を12時20分、室堂に到着。山小屋にある温度計は、11度を指していた。
12時55分に白山頂上に到着、視界は10メートルほどで何も見えない。
風もあり立ち止まっていると寒い。ビスケット食べて早々に下山する。

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     〈山頂からの下山途中に咲いていたイワギキョウ〉

2時15分、野営地に到着してテントを覗くと、2人ともシュラフを取り出して休んでいた。
やはり、こちらでも強い雨があったようで、テントに当たる雨の音が大きく心配したようだ。
しばらくくつろいで、晩ご飯の準備に取り掛かる。
炊事場でお米を研いでいると、雨が強くなり雷が鳴り出した。
他のキャンパーが3名、慌てて炊事場に逃げ込んできた。

あとで聞いてみると、雷の怖さと雨に濡れるのが嫌で炊事場に避難するなんて、
全く頭になかったとのこと。でも、テント内での初めての雷は、インパクト強すぎ。
お腹がすいてきたので、4時ごろに晩ご飯とする。
ご飯は水加減もバッチリで、腕は落ちていなかった。
家内から炊き方を質問されて、気分良くお答えした(Vサイン!)。
おかずはレトルトのカレーで、息子もしっかりおかわりしていた。

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     〈山の斜面の白い逆三角形は雪渓です〉
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     〈この一瞬だけガスが晴れました〉

食後、テント内でくつろいでいると、なにやら周囲が明るくなってきている。
晴れてきたのではと、テントを出てみると素晴らしい景色が目の前にあった。
南竜ヶ馬場から見渡せる白山の北斜面に白いものが見て取れる。
良く目を凝らしてみると、なんと雪渓だった。

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     〈赤い屋根の建物は、南竜山荘です〉

他のキャンパーも一斉にテントを飛び出して感嘆の声を上げ、写真を撮っている。
いままで真っ白の雲の中から突然白山の山容が姿をあらわした。
家内も息子も感動しているようで、ここまで登ってきたことをようやく実感しているようだった。
一瞬だけでも素晴らしい景色がみれて本当にラッキーだった。

やがて、日も落ちて急に辺りは暗くなる。
今日は朝も早く、昨日は車中泊の仮眠で、日が落ちると眠たくなってきた。
全員、早々におやすみなさいとなる。
しかし、これからが恐怖の始まりで、うとうとしかけたころ、
急に雨脚が強くなり、テントをたたく雨の音がうるさいぐらいで、風も強くなってきた。
そして、とうとうやってきた恐怖の稲妻と雷鳴のコラボレーション。

目をつぶっていてもその閃光は網膜に映り、その雷鳴はお腹に響く。
心拍数はただ寝ているだけなのにやけに速い。
家内と息子は平然と寝ているようだし、ビビッているのは私だけか。
避雷針のある建物の中で体験する雷とは訳が違う。

標高2千メートルほどの山の上での、
布切れ1枚のテントの中で体験する雷がどれほど怖いか。
耐え切れなくなって、上体を起こすと他の2人も間髪を入れず起き上がってきた。
やっぱり2人とも寝てなかったんや。
3人で話をすると、少し気分が落ち着いてきた。

1時間続いていたのか、3時間続いていたのか、良く分からない。
ほんとに生きた心地がしなかった。

翌日は、4時半ごろ目が覚めて、テントを確認するが異常箇所は特にない。
昨日はほんとにこのテントが頑張ってくれた。
昨日のご飯の残りでカニ雑炊を作る。
晩ご飯が早かったせいか、みな朝から食欲がある。
幸いにも天候は小康状態で、朝ごはん後、てきぱきと撤収作業にかかる。

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朝の6時半ごろ、野営地を出発して山小屋に向う。
山小屋のおじさんに挨拶をして、今日の天候を確認すると昨日より悪いらしい。
これはもう下山しかないと判断して、山小屋を後にする。
7時20分、甚ノ助小屋に到着。
天候が良くないので登ってくる人も少ないだろうと思うが、後から後から登ってくる。
上の天気はどうですかと質問されたが、降ったり止んだりと答えておいた。

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     〈中飯場、ガスが晴れてきました〉
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甚ノ助小屋からしばらく下ると、ガスが晴れて視界がひらけて来た。
どうやら雲の中から出たようだ。
どんどん下って登山口である別当出合に9時ごろ到着した。
皮肉なことに登山口では短い時間だったが太陽が顔を出していた。

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     〈つり橋が見えてきました、もうすぐ別当出合です〉
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     〈別当出合で、昼ごはんの日清焼きソバ〉

バスで市ノ瀬の駐車場に戻り、車で帰路につく。
家内に始めてのテント泊の感想を聞くと、とてもこわかったと。
そして、息子はいよいよ旅も終わり自宅が見えてきたときに、
「生きて帰ってきた」とまじめな顔でつぶやいていた。

次にテント泊の登山を提案したら、きっと却下されるやろなぁ。
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by toshihi616 | 2008-08-15 23:50 | Trackback | Comments(16)