ハセツネ、後半バテマシタ
2009年 10月 11日
11日、12日と日本山岳耐久レース(ハセツネ)に参加してきた。
1.スタート前
今年の参加で4回目となる。
昨年は、第二関門の月夜見山からゴールまで走れそうなコースでも、
歩きが入ってしまうなど反省点もあったが、
全体的には自己ベストを更新して、ゴール後に美味しいDRYを飲むことが出来た。
今年も美味しいDRYを飲めるようにしたいが、
今年の目標としては、1秒でも自己ベストを更新すること。
後半部分の走れそうなコースを、いかに妥協せずに走れるか。
ここを走ることによってタイムはまだまだ短縮することが出来る。
まあ、タイムばかりを目標とすると、辛いことばかりなので、
コースを楽しみながら、完走した時の達成感を第一に、
無理せず、転倒等のアクシデントに注意して、
安全にレースを進めていきたい。
当日の早朝の新幹線で東京に移動して、11時前に武蔵五日市駅に到着。
天候は晴れで、秋の清々しさを感じながらも、少し暑さも感じる。
暑いのは苦手なので、良い天気もほどほどにしてほしいと思うが、
雨などの悪天候でないことを感謝すべきだろう。
スタート前に、ミカンさんとのり姉さんにお会いする。
のり姉さんが応援に来られると聞いていたので、お会いできて良かった。
応援エールと差し入れを頂き、スタート前に完走に向けての大きな力となった。
わざわざどうもありがとうございました。
午後1時、ミカンさんとともにスタートラインを通過する。
いよいよ、夜を徹っして走りきる71.5キロ、日本屈指の山岳レースの始まりである。
2.スタートから第一CP(浅間峠、22.6キロ地点)
体調は、特に故障箇所もなく悪くない。
今熊神社までは舗装路のロードが多いが、マイペースで走っているつもりが、
前を行く人を抜かしていける。自分では抑えているつもりが、
知らず知らずに、入れ込んでいるのか。
トレイルに入ってからも、周りのペースに遅れることなく順調に走れている。
スタート後3時間を経過して、お腹が空いてきた。
見晴らしのいい所で、大福を水とともに流し込む。
今回は、途中で胃の調子が少しおかしくなり、三頭山手前でドラ焼を食べた後は、
ほぼパワージェルだけで活動したことになる。パワージェルってすごいかも。
前回と同じく、ヘッドランプを使用することなく第一CPに到着した。
第一CP到着時刻 17時9分、経過タイム 4時間9分47秒。
順位は675位(第一CP通過者数2,059名)
ちなみに昨年の経過タイムは、4時間26分で17分の短縮。
3.浅間峠から第二CP(月夜見山駐車場、42.1キロ地点)
第一CPの浅間峠で、ヘッドライトの準備をして早々にスタートする。
この区間の西原峠までは、走れるところであれば自然と体が反応していた。
ところが、西原峠から三頭山の登りあたりから、左の股関節に鈍い痛みが。
無理をすれば完走は出来ると思うが、後遺症で今年のフルのシーズンを棒に振りたくない。
少しペースを緩めて様子を見ようかなと思っていると、
今度は頭痛の前兆のような嫌な感覚に襲われる。
三頭山山頂に近づくにつれ、外気温が下がり体に異変が生じたのか。
本格的に頭痛に襲われると、走る気力が失われてしまうので、
山頂手前の避難小屋で小休止して、持参のバッファリンを2錠服用する。
そして空腹では体に悪いと思い、ドラ焼を半分だけ無理やり水とともに流し込んだ。
その後、頭痛の前兆は治まってくれたが、胃の調子がおかしくなり、
固形物を食べる気が起こらず、その後はパワージェルだけを取ることとなる。
「もうすぐ三頭山山頂ですよ、頑張って!」という、スタッフの大きな声が聞こえてきた。
要所要所でスタッフの方々の大きな声での励ましを受けて、、
その都度もうひと頑張りと励まされた。
その声援のおかげもあり、なんとか三頭山頂上に到着した。
この山頂で全行程の約半分で、コース上の最も西の地点となる。
ここからスタート地点の武蔵五日市に向けて、
進行方向を大きく東に転ずることとなる。
昨年は休憩なしでこの頂上を通り過ぎたが、今回はベンチに座り込んでしまった。
三頭山頂上を後にして、鞘口峠まで急な下りを駆け降りる。
明るいハンドライトに助けられて木の根っ子につまずくことなく走れた。
あともう少しで、給水ポイントのある第二CPだ。
第二CP到着時刻 21時19分、経過タイム 8時間19分47秒。
順位は少し上がって563位。
ちなみに昨年の経過タイムは、8時間31分で12分の短縮。
第一区間の貯金が少し減ってしまった。
4.月夜見山駐車場から第三CP(長尾平、58キロ地点)
ここで水1リットルとスポーツドリンク500ミリリットルを補給する。
今回のレースで初めて、グレゴリーの“ルーファス”を使用した。
このザックは給水パックを取り外すことなく、水を補給できる優れものだが、
実際にこのように使用するのは初めて。
わざわざ給水パックを取り出すことなく、補給できるのでとても便利である。
第二CPを出発して直ぐに下り坂となるが、
後ろの方からチャッポンチャッポンと大きな音がする。
しかも私の体の動きに合わせるように聞こえてくる。
どうやら私のザックから聞こえてくるようで、給水パックの空気を抜き忘れたようだ。
あまりに耳障りなので、小休止して給水パックの内の空気を抜こうとフタを緩めると、
ゴボッゴボッと空気が抜けたが、同時に水もあふれてしまった。
ザックが濡れ、それを背負うためウェアーも濡れてしまう。
腰の辺りが濡れて気持ち悪う~。
御前山の登り辺りから、周りのペースについていけなくなり、
後ろの人に道を譲ることが多くなる。
高度的には三頭山が1,527メートルと一番高いが、
一番きつく感じたのはこの御前山の登りである。
ここで踏ん張らないと自己ベスト更新は出来ないと思いつつも、体が反応してくれない。
さらに、御前山からの大ダワまでの下りで、散々な目にあった。
以前の大会で転倒によりヘッドライトを吹っ飛ばされた区間で、
下りは慎重に行動したつもりであった。
しかし、地面が濡れているせいか、体力を消耗して踏ん張りが利かないのか、
3回ほど転倒して、肘と手のひらに擦り傷を負ってしまった。
完全に腰が引けてしまって、スキー場の上級者コースをボーゲンで慎重に滑るように、
ビビリながらの下りとなる。なんとも情けない。
最後の大きな登り、大岳山をなんとかこなして、第三CPの長尾平に到着。
第三CP到着時刻 深夜1時30分、経過タイム 12時間30分39秒。
それでも順位は少し上がって555位。
ちなみに昨年の経過タイムは、12時間32分で2分の短縮。
この時点で第一CPの貯金をほぼ使い果たし、昨年とほぼ同じタイム。
でも、疲労度は今回の方が強く、自己ベスト更新は無理かなと、全くの弱気。
5.第三CPからゴールまで(71.5キロ地点)
最後のピーク、日の出山に到着。
下界の町の灯りがとてもきれいだ。
スタッフの方に、ゴールまでどれ位と尋ねると、
「下り基調で11キロぐらいです、あともう少し頑張って!」と。
フラットなコースなら1時間ほどで走れる距離であるが。
毎年の課題として、第三CPからゴールまで少々の上りでも走り続けたいと思うが、
実際その状況になると妥協してしまう。
歩きが入ると、後続のランナーに追いつかれ道を譲ることになる。
多くのランナーが、コースを譲ってくれたことに対して、
「すみません」というような言葉をかけて走り去るが、
「あきらめないで完走を目指しましょう!」と、励ましてくれるランナーが一人だけいた。
ウルトラマラソン時のような言葉をかけてもらい、一瞬でも心が和んだ。
いよいよ高度を下げて、林道から市街地に入っていくとゴールまであと少し。
後半はつらいレースになったが、今年もなんとか完走できた。
ゴール地点の出店で、いつものようにDRYを飲んだが、
パワージェルの甘みの残る舌先に、ビールの苦味はマッチしていない。
ちょっと中途半端な味がした。
来年、エントリー出来るかどうかわからないが、
次回こそ、最後の区間を妥協することなく走りきりたい。
ゴール時刻、3時54分。経過タイム、14時間54分50秒。順位、608位。
ちなみに昨年の経過タイム、14時間42分。12分オーバー。
ありがとうございました。
by toshihi616 | 2009-10-11 00:00 | 大会参加 | Trackback | Comments(20)
調子よさそうだったのでまたベスト更新されるものとばかり思ってましたが、なかなかうまくいかないですね。
スタート地点のあの人の多さから、かねやんさんにお会いするのはムリかもしれないと思っていたのですが、偶然五日市会館前でお見かけできてよかったです!!
それにしても、途中、頭痛や胃の調子との闘いになるとは大変でしたね。
やはり昼間の暑さと夜の寒さの差が体調を狂わせるのでしょうか・・・。
ベテランのかねやんさんでもそのようになるとは、
それだけ過酷なレースなんだな、と思い知らされますね。
ごゆっくり身体を休めてくださいね!
お疲れさまでした!
私も第一関門通過時は、自己ベストでいけるかなと思いました。でも、色々とあり脚が動かなくなってしまいました。ハセツネのコースはやはり厳しいですね。
第三関門でまだ可能性があっただけに、後から考えるとどうして頑張れなかったのかと思いました。次にでるときは、この課題をぜひともクリアーしたいです。
応援エールと差し入れのおかげでなんとか完走できました。
やはり、ハセツネのコースは厳しく、簡単にはいい記録を出させてくれませんでした。次回はぜひ、後半を満足いく走りでゴールしたいです。
暗い中で、道中色んな事があるんですね
過酷な大会です! 途中のアクシデントにも対応した素晴らしい感想ですね やっぱり山の神です!
私も参加したい大会リストにはノミネート出来ないです
怖くて!
そして完走おめでとうございます。
完走するだけで「凄いなぁ」と思える大会ってそんなにありませんが
ハセツネってその最右翼ですわ。
体調が優れない中であのタイムはたいしたもんですよ。
あっ、ちなみに、ハセツネは参加を検討すらしとことはありません。
それくらいハードルが高いです~。
体調を崩したり天候が悪かったりしたら、とても過酷なレースになります。でも、徹夜して体力を使い尽くしてゴールまで戻ってこられたら、「やったー!」と思いますよ。
やっぱり、夜の山道を走るって、よく考えたらとても危険ですね。
体が敏感に反応しているうちはいいのですが、体力を消耗して疲労が蓄積されると、思わぬところで転倒などの事故の可能性があります。もう、あまり若くないので、特に下りは安全第一でいかないとダメですね。
トレイル好きのocさんなら、一度は出場しとかないとあかんレースでしょう。トレランブームも一時ほどではなくなりつつありますが、それでもハセツネは注目度NO.1のトレランのレースです。
関西に住んでいると、試走とかできないのがつらいですね。
スタートしてから4時間ほどで日が沈み、あとはライトの灯りだけが頼りの暗闇のレースです。4回目なのに、どんな所を走っているのかいまだにわかりません。
でも天気が良ければ、日之出山から望める夜景は素晴らしいものがあります。ぜひ一度走ってみてください!
ハセツネは制限時間が24時間とたっぷりとあるのですが、夜間に山道を走らないといけないので確かに厳しいですね。コース上には、一歩間違えばという危険なところもあります。
私もあまり若くないので、そろそろ卒業しようかなと思っています。
夜間にライトを灯して山道を彷徨うなんて、普通に考えたら異常ですよね。今回も、なんとか無事にゴールで来てホッとしています。来年はどうなるかわかりませんが、もし出場できたら、今度こそ最終区間を走り切りたいです。
日本山岳耐久レースのレポートを楽しみにしていましたので~私も走ってる感覚で読ませてもらいました。
かねやんさんの出る大会は好天が多いですね!
スタートの画像も秋晴れの清々しい感じがします。
トレイルを走っているかねやんさんの画像は格好よかったです。
レース後は筋肉痛で大変だったと思いますが、しっかり休養を入れて秋からのレースも頑張って下さい。
レポートを読んでの感想!!私の出てみたい大会に「ハセツネ」をリストアップしときます。
ほぼ一週間が経過して、筋肉痛はなんとかなくなりました。これからはフルマラソンに向けて調子を上げていきたいです。
ハセツネ、ぜひ走ってみてください。第二関門を過ぎたあたりで苦しくなると思いますが、一晩かけてゴールまでたどり着いたときは、達成感で一杯になりますよ!