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2007日本山岳耐久レース② FINAL

1.スタート前

早朝、新幹線で現地に向かう。
10時半頃、武蔵五日市駅に到着する。
天候は、少し雲が多いが晴れで、これからどんどん良くなりそう。
開催日が、昨年より10日ほど遅いので、夜間や明け方は冷えそうな感じ。
でも、雨の心配はほとんどなさそうで、気持ちよく走れそうである。

歩いてレース会場に向かうが、昨年同様、体育館はすでに足の踏み場もない。
体育館の裏手で着替え、おにぎりで腹ごしらえをして、スタートを待つ。

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     〈受付に向かうランナーさん達〉

2.スタートから第一CP(浅間峠、22.6キロ地点)

昼の1時スタート。
昨年のようにグランドを周回することなく、
約2,000名の参加者がゆっくりとスタートラインを越えて走り出していく。
いよいよ、71.5キロの徹夜トレイルランの始まりだ。

第一チェックポイント(CP)までは、渋滞は仕方がない。
渋滞を緩和するために、バイパスが設けられていた。
でも、約2,000名の参加者が一度に同じコースを通過するため、
渋滞はどうしても避けられないだろう。
個人的には、序盤から飛び出す走力もないので、
ちょうどいい休憩になり、全く気にならない。

体調は可もなく不可もなくで、脚の付け根の痛みは特にない。
今のところ、不安材料はなく、順調な滑り出しである。
第一CPの手前で、ヘッドライトを装着する。
第一CPの浅間峠に到着する。スタートから4時間49分経過で、昨年より6分早い。
大福を1個だけ食べて、早々に出発する。

第一CP到着時刻、17時49分。経過タイムは、4時間49分。
通過順位は、975位/ 2003名。

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     〈日本山岳耐久レース公式HPより、クリックで拡大できますよ〉

3.浅間峠から第二CP(月夜見山駐車場、42.1キロ地点)

昨年は、道標の地名を見ても全く距離感がつかめなかったが、
少しは地名も覚え、ペース配分に役立った。
心理的には昨年と大きく違い、余裕を持って行動できている。
ただ、浅間峠まですでに22キロを走っており、太ももが少しだるくなってきた。

第一CPから西原峠まで約10キロ、そこから三頭山まで約4キロ。
三頭山の手前は急な上り坂が続くが、それまでのコースには平坦なところもある。
昨年の記憶では、しんどい上り坂ばかりのイメージしか残っていないが、
再び走ってみると、私の走力でも走れるところが結構あり、意外であった。

ただ、平坦なところでも前を行くランナーが歩いていると、
その人を追い越してまで走る気になれず、楽をしてしまう。
このような区間を無理なく走れるようになるのが、今後の課題。

今年のレースは、この区間の三頭山の登りが一番つらかった。
そして、昨年と同様に、コース脇で座り込んでいる人、
仰向けに寝ている人がいた。
でも、昨年よりは人数が少ないような気がした。
全体のレベルが上がっているのかも。

なんとか、三頭山の避難小屋に到着、気温は昨年より低そう。
立ち止まると体が冷えてくるので、そのまま山頂を目指す。
三頭山のピークでも休憩せずに、第二CPの月夜見山駐車場を目指す。
ピークから鞘口峠までの高低差400メートルほどの急な下り坂で、
ハンドライトが威力を発揮した。

昨年は足元を確認しながら、恐る恐る下った記憶があるが、
今回は強力なハンドライトのおかげで、いい感じで下ることができた。

第二CP,到着。スタートから9時間23分。昨年より34分早く到着した。
このCPでは、水分を補給できるが、ハイドレーションシステムには0.5リットル強は残っており、ペットボトルにも半分くらい残っている。
結局、ペットのスポーツドリンクをハイドレーションシステムに移して、
500ml分のスポーツドリンクを補給してもらった。

第二CP到着時刻、22時23分。経過タイムは、9時間23分。
通過順位は少し上がって、730位/ 2003名。

4.第二CPから第三CP(長尾平、58キロ地点)

第二CPで、スタート地点から42キロほどで、半分以上は過ぎている。
水分補給なしでもいけるかなと思ったが、保険と思って補給した。
第二CPでは大福とアミノバイタルプロ(ジェル)を食べ、御前山を目指す。
このあたりからしばらく、ガスが発生してきて、前がよく見えなくなる。
ヘッドライトの光に反射して、霧雨のような感じ。
めがねが曇っているのかと思ったが、そうでもなさそう。
コースから外れぬよう慎重に進む。

昨年は、この御前山の登りが一番つらいという記憶があった。
まだまだ登りが続くだろうと抑え気味で登っていたら、
なぜかあっけなくピークに着いてしまった。
ピーク付近は北側から風が吹いており、
立ち止まるとさすがに寒い、ウインドブレーカーのお世話になる。

ここの下りでトラブルは発生した。
久々に派手に転んでしまった。
足元が滑り、仰向けに後ろに転倒した。
幸いに、お尻とザックで衝撃を吸収して、体のほうはなんともなかった。
気を引き締めて再び坂道を下っていった。

転倒時は急な下り坂だったので、ヘッドライトとハンドライトを併用していた。
ヘッドライトは前方全体をぼんやりと照らせばいいので、
光量はそんなに強くしていない。
急な坂道が終わり平坦な道になったので、ハンドライトのスイッチをオフにした。
真っ暗になった。

帽子に手をやると、ヘッドライトがない。
さっきの転倒で、帽子の上から装着していたヘッドライトが吹っ飛んだようだ。
なんとも間抜けな話だが、それまでヘッドライトがなくなったことに全く気付かなかった。
急な坂道を登り返して探しに行くという選択肢は、全く頭に思い浮かばない。

ハンドライトは連続して使用すると3時間ほどしかもたない。
現在の時刻が深夜の1時前で、夜明けまでまだ5時間ほどある。
当然、予備の電池はあるが、夏の夜間六甲トレイルランで一度使用しており、
全くの新品ではない。
なんとか行ける所まで行って、いよいよダメであれば、
夜が明けるまで待機して、明るくなってからゴールを目指せいい。
タイムはロスするが、完走はできるだろう。

大ダワのキャンプで、いつでも電池交換できるように、
取り出しやすいところに予備の電池を納める。
そして、最後の大きな登り、大岳山のピークを目指す。

ここの登りもつらかった記憶があるが、
今回は電池のことが気になって、気がつけば鎖場のある岩場に差し掛かっていた。
転倒後、ハンドライトを1時間以上は使用しているが、
光量がかなり弱ってきた。
左手にハンドライトを持って、緊張しながら岩場を無事通過する。

大岳山のピークで、いよいよ予備の電池に交換する。
今の電池でももう少しもつと思ったが、大岳山の下りも険しいところがあり、
ピークには休憩している人が多く明かりもあり、
ここが交換時期と判断した。

なんとか、第三CPに到着。経過タイムは13時間35分と前回に比べ1時間9分早い。
最後の腹ごしらえに大福とパワージェルを1パック食べる。

第三CP到着時刻、02時35分。経過タイムは、13時間35分。
通過順位はまた少し上がって、636位/ 2003名。

5.第三CPからゴール(71.5キロ)

ここからゴールまで13キロほど。
大きな登りはなく、下り基調のコース。
前回レースの反省として、ここから走ってゴールしたいと考えていた区間だ。
CPから、しばらくは街の明かりがあるため、
節電のためスイッチをオフにして第三CPを出発する。

再び山道に入り、走れるところは走る。
他のランナーさんも気持ちは同じなのか、
多くの人がゴールを目指して、しっかり走っている。
走りたいという気持ちとは裏腹に、心なしか光量が落ちてきたような。
やはり、ゴール前にして夜明け待ちの大休止かなと。

ハンドライトで前方を照らすが、だんだんと路面状況を正しくつかめなくなる。
段差が分かりづらく、何度か階段を踏み外したような、
ガクンとした衝撃を受ける。
とても安心して走れなくなり、歩いてしまう。

ようやく日の出山に到着する。
ハンドライトのことを忘れるほどの夜景が広がっている。
誰かが、「ここまで走ってきたご褒美」と言っている。
見上げれば星空もきれい。オリオン座もくっきりと見える。

日の出山から急な階段を降り、再び山道へ。
後方からのランナーさんの明かりが、私の影を前方につくる。
抜き去っていくランナーさんのライトの明るさが羨ましい。

ようやく、残り5キロ地点に到着。
4時10分ぐらいと思うが、明かりさえあれば楽々15時間台でゴールできるのに。
試しにスイッチをオフにすると、真っ暗でなにも見えない。
心もとない明かりで、とぼとぼと歩く。

いよいよ、限界というところで、最後の手段。
最初の電池をもう一度使用することにする。
暗闇の中、手探りで電池を交換する。
おぉ、意外に明るい、なんとか走れそうだ。
街中に入るまでこの明るさを持続してくれ!

しばらく走ると橋が見えて来た。
道の幅も広くなり、やがて舗装路となる。
ギリギリセーフ、夜明け待ちの大休止の必要はなくなった。
九十九折れの林道を走りぬけ、街中に入る。

16時間0分20秒で、なんとかゴール。
なんとも、電池の残量を気にしながらのヒヤヒヤのレースとなった。
ゴール後、出店で「DRY」を飲んだが、素直に喜べない少し微妙な味だった。

ゴール到着時刻、05時00分。経過タイムは、16時間00分20秒。
前回タイムは17時間12分、1時間12分更新できた。
通過順位は少し下がって、649位/ 2003名。

道中、応援してくださったスタッフの皆さん、ありがとうございました。

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     〈ゴール地点、皆さん続々と帰ってくる、ラストスパート頑張れ~!〉

追記
今大会で滑落による死亡事故が発生した。
亡くなられた方のご冥福を慎んでお祈りいたします。

by toshihi616 | 2007-10-23 20:17 | トレイルラン | Trackback | Comments(14)

Commented by ミカン at 2007-10-23 08:27 x
ハセツネはいろいろなファクターが絡んでいる大会だな、と改めて感じさせられました。
それにしても、転倒、電池切れなどのアクシデントを抱えながら、素晴らしい自己記録更新でのゴール、おめでとうございます。
2度目のハセツネは違った感じだったのではないでしょうか?
私も一昨年と昨年では(天候はもちろんですが)自分の居場所が良く分かるようになり、先へ進む意欲、楽しさが増えました。
きっと来年はまた違ったハセツネがあるのでしょうね。
共に美味しい DRYを飲み干しましょう!
お疲れ様でした。
Commented by ryuji1962 at 2007-10-23 19:00
あれ~ そんなアクシデントがあったんですね
萩往還の時、暗いライトにストレスを感じながら走ったのを
思い出しましたが、そんなどころじゃなかったんですね
でも怪我せず走れただけでもよかったじゃないですか
お疲れ様でした!
Commented by toshihi616 at 2007-10-23 21:35
ミカンさん、ありがとうございます。
このレースは、走り終えると反省点ばかりで、なかなか満足のいくレースができません。来年こそは、おいしいDRYを飲みたいものです。
Commented by toshihi616 at 2007-10-23 21:47
ryujiさん、ありがとうございます。
最後の区間、明かりさえあればと思うと少し残念です。
でも、怪我無くゴールできたので良しとします。
来年また頑張ります。
Commented by top-mamoru at 2007-10-24 21:18
お疲れ様でした!
2度目のハセツネで更に1時間以上の更新おめでとうございます!
それにしても 滑落で死者が… 改めて壮絶な大会ですね
私も来年 挑みたくなってきました!
その時は宜しく御指導をお願いします!!
Commented by rui at 2007-10-24 22:15 x
こんばんわ。
ハセツネお疲れさまでした。そして完走おめでとうございます。
タイムも大幅更新したようですね。素晴らしいです。
自分は残念ながら棄権しましたが、これも仕方ありません。
また来年どこかのレースでお会いできることを楽しみにしています。
Commented by oc at 2007-10-25 00:27 x
改めてかねやんさんお疲れ様でした。
読んでいると、大変さが伝わる一方で、僕も来年出てみたいなという気持ちが膨らんできます。
しかし山の徹夜ランなんて、想像しただけでシンドそう。
まだまだ修行ですわ!

Commented by go_ultra at 2007-10-25 05:28
暗闇の山を走るなんて・・・。
山にかなり慣れている方ばかりが参加されているのでしょうが、滑落事故があったとは、やはり山の怖さを感じました。
私は・・・やはり平地が好きです。
本当にお疲れ様でした!
Commented by housi216 at 2007-10-25 21:14
かねやんさん 完走おめでとうございます!
アクシデントにもかかわらず、大幅なタイム更新~
すごいです。
滑落による死亡事故が起きたとか・・・。
亡くなられた方には気の毒ですが、夜中に寝ずに山の中を走るんだからリスクがあるのはしょうがないと思います。
管理運営で色々出てくるんでしょうね・・・。
大会を運営されている方にはこれから大変だと思いますが、頑張って続けていただけるようにしてほしいですね。
Commented by toshihi616 at 2007-10-26 00:11
まもる君、ありがとうございます。
私も、来年こそは美味しいDRYを飲みたいと思いますので、また参加したいです。来年はぜひ一緒に走りましょう。
まもる君の走力とスキーで鍛えたバランス感覚があれば、かなり上位に食い込めると思いますよ。
Commented by toshihi616 at 2007-10-26 00:19
ocさん、改めましてありがとうございます。
ベーシックなところでは走力を鍛えないとタイムは向上しないんでしょうが、そのほかの要素もタイムに影響するところが面白いです。
トップランナーはトップランナーなりに、私のような市民ランナーは市民ランナーなりに、日常生活では経験できないアドベンチャー的な喜びを味わえるレースだと思います。来年は、ぜひ!
Commented by toshihi616 at 2007-10-26 00:23
ruiさん、ありがとうございます。
宮古島を睨んでの出走辞退、心中お察しします。
その分宮古島で爆発させてください。
トライアスロン完走記、期待しています。って、少し気が早いですね。
Commented by toshihi616 at 2007-10-26 00:26
go_ultraさん、ありがとうございます。
何で好き好んで暗い山道を走るんでしょうか?昼間のほうが、景色も見れていいに決まってますよね。
奥多摩の山々を明るいときに、景色を楽しみながら走ってみたいです。
Commented by toshihi616 at 2007-10-26 00:30
housiさん、ありがとうございます。
この大会はやっぱり面白いです。できれば来年も参加してみたいです。
事故については、housiさんと同じような考えです。
これから原因究明・改善対策と、その対応は避けられないと思いますが、来年もぜひ開催してもらいたいと思います。

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